離婚と子ども

未成年の子どもがいる場合、離婚に際して、夫婦のどちらが離婚後の親権者をなるのかを決めなければ離婚できません。
以下をよくご覧になり、法律的な側面をふまえて対策を講じましょう。

離婚が子どもに与える影響

離婚は子どもの親権や養育費、メンタルケアもきちんと行う責任があります。

離婚は子どものことを第一に考えて進めていく必要があります。

離婚が子どもに与える影響について年齢別にまとめましたのでご紹介します。

乳児への影響

乳児は親との愛情を肌で感じて実感していく時期であり、親子の絆を深め合うためには非常に大切な時期になります。

離婚で気持ちが落ち込むことも多いとは思いますが、乳児としっかりコミュニケーションを取ることが重要です。

幼児への影響

幼児の場合、法律的な離婚の側面は理解できないまでも、もう一人の親が家に戻らない生活であることを理解します。

そのため、感情が大きく変化し、泣くことや癇癪を起こす場合もあります。

親の愛情を得たいが故か、お漏らしなどの退行現象が生じる場合もあります。

また、子どもが自分が悪い子だから親がいなくなってしまったのではないか、今の育てている親も自分を捨てるのではないか、といった大きな不安を抱くこともあります。

しっかりと時間をかけて説明して子どもの不安を取り除くようにしましょう。

子どもの情緒安定のためにも、監護している親は、監護していない親との面会交流を積極的に行わせてください。

小学生への影響

高学年生になると離婚自体に反対の意を示すことも多くなります。

また、 離婚をすると、親に裏切られた気持ちになり、集中力が欠ける、感情の起伏が激しくなる、将来への不安を感じる、非行に走る、などの危険もあります。 子どもの心身の変化に敏感になってください。

子どもの情緒安定のためにも、監護している親は、監護していない親との面会交流を積極的に行わせてください。

また、一人での子どもへの対応が難しい場合は、同居親族や友人、教師、カウンセラーなどの力を借りるのも一つの手段です。

中学生や高校生への影響

離婚の問題は理解できますが、家族が崩壊してしまうことに深い悲しみを抱き、将来の結婚観への影響などもあります。

深い悲しみや失望感ゆえ、怒りや苛立ちなどの感情が湧き上がり、非行に走ってしまうような事態も心配されます。

子どもへの説明や心身のケアも頭に入れて決断するようにしてください。

また、離婚した相手を非難したり、悪く言うようなことはできるだけ避けるべきです。

子どもの情緒安定のためにも、監護している親は、監護していない親との面会交流を積極的に行わせてください。

子の引渡し

子の引渡しの方法

夫婦が別居している場合に一方が子を連れて別居を開始した場合、離婚後親権を取得したのに相手方が子を連れ去った場合は、子の引渡しを請求する方法としては、①家事審判の申立て、②人身保護請求の申立て、があります。

家事審判の申立て

1 離婚前(子が共同親権に服している)

子の引渡し及び監護権者の指定の家事審判

2 離婚後で親権者が決定している場合

親権者⇒非親権者への申立て:子の引渡しの家事審判

非親権者⇒親権者への申立て:子の引渡し及び監護権者の指定 or 親権者変更

家事審判の判断基準

申立人と相手方のどちらに子どもを監護させることが子どもの利益・福祉に良いかが判断基準となります。

具体的な判断基準は親権者の指定とほぼ同様の要素となります。

人身保護請求

子どもの拘束に顕著な違法性があるときなどの要件を満たす場合、人身保護請求があります。

人身保護請求が認められるかは、以下の判断基準となっています。

①子の身体の自由が拘束されている。

②拘束が法律上正当な手続によらず違法性が顕著な方法で行われた(未成年者略取等の方法)

③人身保護請求による他に方法がない

審問で相手方の行動の違法性が認められると、5日以内に子どもの引渡しを命じる判決が出ます。

もし、相手方が判決に応じない場合は、勾引ないし勾留することができます。

人身保護請求は、手続期間が短く、かつ拘束者への勾留といった強制手段があるなどの調書がありますが、身体拘束の顕著な違法性といった条件が必要であり、実務ではなかなか認めてもらうのが難しい手続きといえます。

親権

未成年の子がいる場合、離婚時に夫婦の一方を親権者として指定することが必要になります。

親権は、

①身上監護(身のまわりの世話、しつけ、教育)

②財産管理権(子ども名義の預金や不動産などの管理)

③法定代理権(子どもの契約などの代理権)

という3つの権利・義務に分かれます。

親権者をどちらにするか(親権者の決定・指定)

離婚後は子どもに対して単独親権となるため、離婚時に親権者を定める必要があります。

夫婦間で親権者の指定に合意できないときは、協議離婚の届出ができません。 そのため、調停や裁判等で親権者を定めることになります。 ここで大切なことは、子どもの生活・福祉にとって、どちらが親権者としてふさわしいかという視点です。 親のエゴや意地で決めるものではないということを念頭においといてください。

調停裁判における親権者を定める基準

父母の側の事情として、監護意欲や能力、健康状態、精神状態、家庭環境、居住・教育環境、子に対する愛情の程度、実家の資産、親族・友人の援助などが考慮されます。 子どもの側の事情として、年齢、性別、兄弟姉妹関係、心身の発育状況、子ども本人の意向などが考慮されます。裁判離婚の際の親権者決定基準として、以下の原則があります。

① 現状尊重の原則(監護の継続性)

現状における子どもの生活環境に大きな問題がない場合、生活環境を急変させないように配慮する考えです。

子どもの養育者を変更することで子どもへの心理的不安定をもたらす危険があるということを根拠においています。

② 母性優先の原則

主たる監護者であった親が優位になる、という考え方です。

父親であっても育児に積極的に関わっていた場合は十分に考慮されます。主たる監護者であったかは、子どもの家事、洗濯、食事、食べさせる役割、入浴、遊んでいた側、学校の送り迎え、寝かしつけ、しつけ、などを総合的に考慮し、判断します。フルタイムで夜遅くまで働く父親は非常に不利です。

③ 子どもの意志尊重の原則

子どもが15歳以上の場合は、裁判所は親権者の指定にあたって、子ども本人の意志を尊重できなければなりません。

子どもが15歳未満の場合でも、実務では子どもの意向を尊重します。子どもが幼い場合、幼い子どもは身近にいる者の影響を非常に受けやすいため。また、言葉と真意が一致していない場合もあります。そこで、幼い子どもの親権をめぐる紛争では、家庭裁判所調査官が子どもと面談する等して、子どもの発達段階に応じた評価を行なっています。この調査官という人たちは、家庭裁判所の職員であり、児童心理等の専門家です。

④ きょうだい(兄弟姉妹)不分離の原則

きょうだいの分離は避けるべきという原則です。

きょうだいは一緒に生活することで人格の形成や情緒安定につながることを理由とする原則です。もっとも、きょうだいの同居期間が短いような場合やきょうだいの結びつきが弱い場合は、子どもの意向を重視して、兄の親権を父親に認めることも十分考えられます。

不貞行為などの有責性は考慮されるか?

妻の不貞行為を原因として離婚に至った場合、親権者は夫と妻のどちらになるのでしょうか。

妻を親権者とすると、夫は妻に裏切られた上に子どもと引き離されてしまいます。

夫としてはその結果に到底納得できるものではありませんが、裁判実務においては、妻の有責性のみを理由に妻を親権者から排斥する扱いはとられていません。

妻が不貞行為などに及んでいたとしても、上記基準により親権者を定めることになります。

もっとも、不貞行為が子どもの監護に害をもたらしていたような場合は、そのことをもって親権者としてふさわしくないという主張は可能です。例えば、妻が育児や子どもの世話を完全に放棄して、不貞行為の相手と会うなどしていた場合です。

面会交流

離婚協議中や離婚後、子どもを監護していない親が子どもとの面会や外出、手紙のやり取りなどを行うことを面会交流と言い、その権利を面会交流権と言います。話し合いがこじれて妻が子どもを実家へ連れて帰ってしまったような場合、離婚成立の前後を問わず、夫は家庭裁判所に面会交流の申立をすることができます。

面会交流が認められるかは、子どもの利益、子どもの福祉を中心に決められます。非監護親が子どもと会うことで子どもの心身に悪影響があるような場合は面会交流権が制限されます。

面会交流の条件

面会交流を認める場合、条件を具体的かつ詳細に決めておくことが必要です。将来の争いのもとになるようです。書面にしておけばよいでしょう。

以下のような事項を定めるのが一般です。

月に何回、一回あたり何時間、会う場所、会う日時の調整方法、宿泊の可否、交流内容、電話や手紙のやりとりの可否、誕生日プレゼントの可否、学校行事への参加の可否、子どもの意思の尊重、変更方法・・・

面会交流の条件調整が上手くできない場合は、家庭裁判所に調停・審判を申し立てることができます。

申立をする裁判所は、調停のときは相手方の住所地、審判の時は子どもの住所地の家庭裁判所です。

面会交流の拒否

面会交流権は、法律の規定はありませんが、親として当然にもっている権利で、子どもに会うことまで拒否することはできないと考えられています。

面会交流の制限・停止

相手との面会によって子どもの心身に悪影響が生じたり、相手が子どもを連れ去る危険性が高い、勝手に学校を訪れるなどして子どもと会う、などの場合、裁判所に対して面会交流の制限を申立てることができます。子どもが一定年齢に達するまで面会を禁止する、親権者または監護者同伴の場で会うなどの方法も考えられます。

面会交流のコツ

面会交流がうまく行われているケースでは、子どもが両親から愛されているという精神的安定を得た、心身に良い影響を与えます。 面会交流を上手く続けていくためのコツをご紹介します。

1 子どもと同居している方

① 相手への悪口や非難、過去のトラブルを子どもには伝えない

離れて暮らしている親に対して、子どもが良好なイメージを持ち続けられるように配慮が必要です。

② 子どもが会いたくないそぶりを示している時は理由をしっかりと聞く

子どもの気持ちを丁寧に聞きましょう。 同居している親に遠慮して、本心と異なり会いたくない態度をとったり、そのように話すことがあります。子どもの話だけを口実に面会交流を一方的にやめてしまうと、元配偶者との間で大きなトラブルが起こります。相手とも冷静に話し合いましょう。

③ 面会交流に出かける子どもを笑顔で送り出し、帰って笑顔で迎える

子どもは、自分の生活の世話をしている親の感情に非常に敏感になっています。 そのため、あなたの表情やしぐさ、言葉から、離れて暮らしている親と会うことを悪いと思ったり、後ろめたいと受け止めている場合もあります。子どもには、『面会交流をすることは良いこと』だとしっかり伝えると良いでしょう。

また、子どもが帰ってきたら、面会中の事はあまり細かく聞かないように配慮しましょう。元配偶者との楽しい時間を見守ってあげることで、子どもは両方の親から愛情を注がれていることを実感できます。

④ 子どもに関する情報を相手と共有しましょう

子どもの学校行事も、友人関係、部活、学校の行事予定、部活や習い事など頑張っていることについては関心が高いことです。 離れて暮らしている親が子どもにうまく対応でき、円滑な面会交流につがります。離婚後の面会交流は、子どもの父と母という立場から、婚姻時の心情を切り替え、子どもの成長のためにできる限りの協力が重要です。

子どもにとっては、どちらも大事な親なのです。子どもの健全な成長を守り、子どもの幸せを考えつつ、柔軟な態度でのぞんでいくことが大切です。

2 子どもと離れて暮らしている方

① 一緒に生活している親に無断で子どもとの約束は控える

泊まりがけの旅行やテーマパークなどへの外出は、子どもに一緒に生活している親への後ろめたい気持ちや罪悪感を抱かせたり、不安にさせたりします。

また、旅行などは学校との調整や子どもの日常生活に変化を及ぼすものですので、元配偶者との間で新たなトラブルを招きます。 大切なことは、親が話し合いを行い、子どもの内面に負担を与えないことが重要です。

② 子どもの体調や生活スケジュールに合わせて、面会交流の日時や場所などを調整する

子どもの学校予定や行事、年齢、健康状態、部活やスポーツイベント、友達との遊びなどのスケジュールに配慮して、子どもに負担がかからない日時や場所、面会内容を実施し、子どもが喜んで会えるようにしましょう。

③ 相手との面会交流の条件は守る

子どもと会う場所や引き渡し方、面会交流の終了時間、時間調整などを無断で変更することは避けましょう。

また、仕事など急な用事や体調不良で面会が実施できない場合は、できる限り早く相手に連絡し、子どもにも謝罪を行うべきでしょう。

④ 面会中は子どもが楽しく過ごせるように注意する

同居している親の悪口や親の様子をあまりしつこく聞かれると、子どもは両親の板挟みになってしまい、気持ちに大きな負担がかかります。 子どもの学校行事、頑張っていること、友人関係、家での手伝いや楽しい出来事など、子どもが楽しく生き生きと話せる話題を提供して、できるだけ聞き役になりましょう。

また、自分の仕事や生活状況などについても、できるだけ明るい話題を提供するように注意しましょう。

⑤ 高価なプレゼントは避ける

高価なプレゼントなどで子どもの関心を引きつけることは好ましくありません。

モノやお金が本当に必要なときは、親同士で話し合いましょう。

親権者・監護者の変更

親権者の変更

離婚後の親権者の変更のためには、家庭裁判所に親権者変更の調停・審判を申し立てなければなりません。

親権者変更の申し立ては、両親の他、子どもの親族でも申し立てることができます。

親権者が変更された場合は、戸籍上の記載の変更が必要になります。 調停や審判の調書を市区町村役場に提出することになります。

監護者の変更

戸籍上の記載の変更は不要であり、父母の合意があれば話し合いで進めることができます。

市区町村役場に届出を行う必要もありません。

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での調停などが行うことになります。

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