不倫(浮気・不貞)と慰謝料

不貞慰謝料とは、裁判実務においては、「配偶者以外の者と性的関係(肉体関係)を結ぶこと」と解釈されています。

これは、不貞行為によって害される利益を、夫婦の貞操義務(夫もしくは妻以外と肉体関係をもたないという義務)と解する考えと近いものです。

不貞慰謝料とは

裁判実務においては、「配偶者以外の者と性的関係(肉体関係)を結ぶこと」と解釈されています。

これは、不貞行為によって害される利益を、夫婦の貞操義務(夫もしくは妻以外と肉体関係をもたないという義務)と解する考えと近いものです。

肉体関係がない場合に慰謝料請求を認めた判決(平成26年3月大阪地裁、プラトニック不倫判決)もありましたが、例外的な判決であり、基本的には肉体関係を必要とします。

不倫(不貞行為)の証拠の集め方

不貞行為は、密室で隠れて行われることが多く、ハッキリとした証拠も少なく、証明が困難な場合が多くあります。また、当初当事者間で不貞を認めていた場合でも、いざ裁判になると、加害者側が不貞はないと争い、言った言わないとトラブルになることがとても多いです。

メールやSNSのやり取りは証拠となるか?

不貞相手と配偶者の携帯メールやSNS(LINE、カカオ、Facebook、mixi、Twitterなど)のやりとりは、両者の関係が肉体関係の存在を伺わせるものであれば、不貞の証拠となる可能性はあります。その証拠収集方法に重大な違法がある場合、データを証拠としては排除した裁判例もありますので注意が必要です。 不貞の証拠を集めることは、簡単ではありませんので、事案によっては、調査会社に依頼し、不貞の証拠を確保する必要があります。

不倫(不貞行為)の慰謝料の算定要素

不倫の慰謝料額は、事案ごとに異なりますが、裁判所が認める慰謝料の金額は平均的には、数十万円~300万円の範囲内となることが多いようです。 裁判例でとりあげられた算定要素としては、以下のようなものがあります。

①当事者の年齢
②婚姻期間、婚姻生活の状況、被害者の落ち度
③不貞の態様

不貞は婚姻共同生活の平穏を害するもので、婚姻期間が長く、婚姻生活が円満であればあるほど、認められる慰謝料額が高額となります。婚姻生活が円満でない場合や配偶者の不貞行為について被害者側に落ち度があった場合は、慰謝料が減額されることになります。

不貞期間が長いほど、不貞相手が自らの行為は不貞にあたると明確に認識している、不貞行為の回数が多い、不貞の主導が不貞相手、不貞相手の妊娠や出産、生じた被害(離婚、うつ病などの精神的苦痛、被害者に幼い子がいるか)なども慰謝料の増額要素となります。

慰謝料が認められる「損害」とは?

慰謝料の裁判となった場合、被害者の損害分として、①慰謝料の10%分の弁護士費用、②調査会社の費用の一部が認められることがあります。

不倫(不貞)の慰謝料と時効

不貞の被害者の慰謝料請求権は、被害者が不貞の事実を知ったときから3年以内に行使する必要があります(民法724条)。

① 不貞が発覚しても、被害者夫婦が離婚しなかった場合

被害者が不貞を知ったときから3年間で消滅時効期間が過ぎるので注意が必要です。

② 不貞を原因として離婚した場合

元配偶者の不貞(有責)行為により離婚をやむなくされて精神的苦痛を被った損害は、離婚が成立して初めて評価されます。そのため、最高裁判所の判例などでは、離婚成立時から消滅時効が進行し、離婚成立後3年以内であれば、慰謝料が請求できることになります。

不貞慰謝料については、専門的な判断が必要ですので、離婚問題を専門とする弁護士へご相談されることをおすすめします。

不貞慰謝料の反論 ① 破綻の抗弁

不貞が民法上の違法行為とされるのは、被害者の『結婚生活の平和』という権利利益が害されるからです。

そのため、守られるべき権利利益がない状態、すなわち、夫婦の婚姻関係が破綻していた場合には、権利侵害がないとして、破綻の抗弁です(最高裁判決平成8年3月26日)。

破綻状態か否かについては、

などが重要になります。

不貞慰謝料の反論 ② 破綻を過失なく誤信したこと

これは配偶者と不貞にかかわった人物からの反論でなされるものです。

①の破綻の抗弁が認められない場合でも、被害者とその配偶者の夫婦関係が不貞当時既に破綻していると、不貞相手が信じ、かつ信じたことに過失がない場合には、不法行為は成立せず、慰謝料を支払う必要はありません。

ただし、既婚者の不貞相手への誘い文句として、妻(夫)との関係は冷え切っている、などと嘘をつくことは多いです。

そのため、不貞相手の言葉を信用したと主張するのでは不十分です。

言葉を裏付ける証拠・根拠が必要であり、この反論は簡単には認められないものですが、現実の裁判ではよく争われがちです。

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